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『FF7・リメイク』徒然感想文4

<バレットの変化>


しょっぱなからバレットがやかましくてならなかった。

こんなにうるさかったっけ?
でも、原作はボイスなしだからわからなかったし、こんなに喋らなかった。

ACではどうだったっけ。そんなうるさい印象はなかった。
でも、ACは原作の二年後だから比較はできないかな。


でも、それはバレットが変化していくさまを見せるための布石だと。
クラウドに対してのトンガリ感がだんだん柔和になっていく過程をプレイヤーは自然と受け入れていく。


たった5泊6日のクラウドとのふれあいだったけど、今作ラストシーンでは彼の「セフィロスを追う旅」に付き合うことを決心した。
最愛のマリンを置いて。



始め、敵対する神羅のソルジャーのクラウドとは傭兵としてだけの付き合いのはずだった。

力不足のチームにティファの知り合いの元ソルジャー。
雇うしかなかった。


クラウドもそのつもりの付き合い方。
金を稼ぐための「仕事」。



闘いや危機の中でだんだんバレットはクラウドを認めていく。


伍番魔晄炉爆破ミッションまでをバレットはクラウドを金で雇った。
クラウドとバレットの関係は「契約」。
そういうクールな関係…のはずだった。


だけど300mの高さから落下するであろうクラウドに声をかける。

「(つれない行動をして)いろいろすまなかった」と。

これでお別れだと思っていたのだろう。
アジトに戻ってもクラウドの消息はつかめない。
あの高さから落ちたら無事ではすまないだろう。



だけど…
1日おいて、クラウドは「契約もしていない、助ける義理もない」のに7番街支柱に駆けつけた。
バレットの中でクラウドへの信頼が増す。


神羅ビルに乗り込む時にはすでにクラウドをリーダーかのように認めていた。

「エアリス救出」というミッション。

「マリンを助けてくれた」、という理由もあるけどクラウドの「エアリスを迎えに行く」という強い信念はバレットをも動かす。
本当はマリンのそばで7番街スラムの復興をしたいはずだ。

だけど、クラウドの強い思い。

まだ会ったこともないエアリスを助けるのはクラウドの一途さに動かされたともいえる。


マリンとウェッジを預けたエアリスの家。
その夜、選択肢ありだけどバレットが夜中に起き出してクラウドに弱音や抱えている思いを吐露する。

それほどバレットのクラウドへの信頼は深まったともいえる。


バレットの心情の変化を読み取るだけでもこの『ミッドガル編』は醍醐味がある。



<ティファは幼馴染…?>


彼女を追ってみる。

ティファは極めて普通の女の子。
武闘家として強いとか村が焼かれて自分も死にかけるという物語上の設定は別にして。

極めて普通の女の子の心理そのまま。


よく「クラウドとティファは幼馴染だから特別な関係」だという下地を見かける。


だけど、ちょっと待ってほしい。
彼らは本当におさな「馴染み」だろうか。

馴染んでいただろうか。

少ない子供時代のエピを思い出すと到底「馴染んだ」関係ではない。

ティファの父親は村でも有力者的な存在だったらしい。
そのせいなのか、単にティファが可愛いからか、周りには常に「取り巻き」がいた。
リメイクでも3人の男の子がいる。


リメイクでの過去のシーン。
子供クラウド目線でティファとその取り巻きがいるのを見てもクラウドは近寄らなかった。

ティファが「クラウドーーまた無視するー」と。


ティファはなぜ声をかけたのか。
「一緒に遊ぼうよ」という博愛的な意味?
「クラウドも取り巻きなさいよ」という意味?

女の子というのは取り巻きに囲まれるのが好きだ。
ちやほやされるのが好きだ。
だから子供ティファは普通の女の子。


原作では、ティファにとってはクラウドは印象が残っていない存在。
「あんな子いたっけ?」ぐらいの。

ティファのお母さんが死んだ日。
死者に会えると思ったティファはニブル山へ行く。
10歳ごろか。


取り巻きの男子がついていくけど、脱落。
クラウドだけ後からついていった。
ここで彼女の中でクラウドの株が上がったかどうかは不明。


そして橋から落下。
ティファのパパから恨まれたクラウドはそれ以来、ティファと接することなく過ごす。


これが「おさな馴染み」といえるだろうか。
どこで馴染んだのだろうか。
ない。


例えば、ドラクエ5の主人公君とビアンカは幼馴染。
幼馴染としてのエピソードがたくさんある。
キラーパンサーの「ゲレゲレ」(ゲレゲレにしてしまった)を拾ったり、レヌール城を冒険したり、字を教えてもらったり。

プレイヤーは主人公。
プレイヤーにとってもビアンカは幼馴染。

主人公君はまだ子供のまま、奴隷の日々を送る。
およそ10年。
再会するビアンカ。
苦しかった奴隷の時間はぶっとび、楽しかった子供時代がクローズアップされる。
父が目の前で殺される前の楽しい思い出はビアンカと作った。


こういう幼馴染ビアンカとの思い出を大事にしたからこそ花嫁選びではビアンカを迷わず選ぶ。

これを幼馴染という。


橋落下事件から4年後ぐらい、クラウドはティファを呼び出す。
二人の村での最後はあの給水塔のシーン。

ティファにとって「あんな子いたっけ?」のクラウドが急に呼び出すからティファが驚いていた。


そしてクラウドは語る。

「ソルジャーになるんだ」と。

ティファにとっては「はあ?なんでアタシに?」的な。



つづく



by motibito03 | 2020-07-09 19:11 | ★『FF7リメイク感想文』

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