Return Of Tarzan 1

d0372513_20153646.jpg
2009年の作品

一巻で終わりにしようと思ったけどやっぱりハッピーエンドじゃないと。
ということであとちょっとだけ…

「類猿人ターザン」「ターザンの復讐」この2巻がターザンの成り立ちの物語。
2巻の原題は「Return Of Tarzan」
物語としては「ターザンの帰還」の訳が近いかとも思う。

さてこの第二巻の話しの舞台は船上からパリ、アフリカ北部の砂漠地帯、そして彼の故郷のジャングルと秘境。

「まあ、すてき」
というオルガ・ド・クード伯爵夫人のためいきのような賛嘆の声で始まる第二巻。
ニューヨークからフランスへ向かう客船のデッキにターザンはいた。
あの駅の待合室でジェーンと別れ、彼はひとり車でニューヨークに戻ったのだった。

デッキチェアの長身の青年の横顔にみとれてしまったオルガ。

オルガ・ド・クード伯爵夫人はロシア貴族の出。
家が決めた結婚相手は親子ほど年上のフランスの伯爵。
貞淑な妻ではあるけど熱烈に愛しているとはいえない。
深窓で育つ女性にとって夫を含めた男性は尊敬の対象ではあるけど、おそれの対象でもあった。
だが、ターザンと接するうちに男性観がかわっていく。

「不思議だわ、あなたといるとこわくない」
なんて夫人に言わせてしまうターザンなんです。

ネックは伯爵夫人の兄のニコラス・ロコフ。
これがどうしようもない極道もの。
仏政府高官であるオルガの夫を陥れそれをネタに仏の機密を狙おうと同じ船に乗っている。
客船の遊戯室での伯爵に仕掛けられた罠をターザンが阻止したり妹(オルガ)を強請っているのをターザンが懲らしめたりしたものだから恨み骨髄。
ずっと後まで(第3巻)因縁が。

パリに着いたターザンはダルノーの家に戻りアメリカでの顛末を話す。
ダルノーは彼が権利を放棄することに驚く。
それは爵位や財産の放棄だけではなく自分の生まれさえ否定することだと言う。
「ぼくはカラの息子で満足している…」

ターザンは短い文明生活で地位や金がないと困ることを知り、ジェーンが困らないようにジェーンの夫になる男にそれを譲る形になった。
もし彼が血筋を名乗れば、彼女は名も財産も無くなったクレイトンによけいに義理立てするだろう、とダルノーに言うのだった。

パリでターザンは文明社会に浸った。図書館に通い、オペラや観劇、社交界へと出入りした。
彼は文明社会の醜さも目の当たりにし、残酷なジャングルのほうが優しいのではないかとも思う。
だが、今彼が密林へ帰っても恐れるものがいても歓迎するのは誰もいないだろう。
憶えたばかりの人間の言語での友人たちとの交流は喜びにもなった。
文明は愛する女性やダルノーという親友も与えてくれた。
もう独りになりたくはなかった。

とある日、伯爵夫妻と再会。伯爵は船上での出来事を感謝しダルノーを含めて親しく交流が始まる。
そしてまたロコフも彼の前にあらわれる。

ロコフの奸計と悪巧みが夫妻とターザンに迫るのだった。


by motibito03 | 2017-07-11 20:17 | ★『クロニクル』ターザンの絵物語