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3・ターザン〜叡智の光〜

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2009年の作品


ターザンは浜辺の小屋でみつけた自分と同じ白い肌を持つ人間の写真が好きだった。
亡父とも知らず。

類人猿の王座についたターザン。
人間の知能を持つターザンは群れを飢えさせることなく指導者ぶりを発揮する。
だが、それは彼の自由を奪い、浜辺の小屋へいくことを妨げる。
探究心旺盛な彼の知能。
それは群れの仲間たちとのギャップを生む。
浜辺の亡父の小屋と自由が懐かしかった。

カラが生きていたならすべてを犠牲にしても群れにとどまっていたことだろう。
だがもう群れに未練はなかった。

しかし、王座を狙うならずもののチュブラットの息子ターコズの存在。

ターコズの存在は負けず嫌いの英国人を簡単に群れから離れることを許さなかった。
ターザンが群れを離れれば彼は好き勝手をするに違いない。

ある日のことだった。
わざと挑発するかのようにターザンの目の前で年老いたメスの仲間をいたぶるターコズ。
それを知ったターザンは無言でターコズに体当たりをする。

死闘。
ターコズの鋭い牙で額には深い傷。
ターザンは背後からターコズをフルネルソンで固めた。
力を入れるとターコズの首がきしむ。
殺してもよかった。
だが、彼は考えた。ターコズは群れの大事なファイター。
そして生かしておくことでターザンの偉大さをみんなに憶えておかせることができる。

彼は少し腕に力を入れて言った。
「カ・ゴダ?」(降参するか?)
ターコズが抵抗する。
さらに力を入れる。
「カ・ゴダ?」
「カ・ゴダ」(降参する)

ターザンは彼を離しターコズと部族全員に向かって言う。
自分が偉大なファイターであることを忘れないでいることや二度と乱暴を働かないこと。

そして彼は長老たちを呼んで告げた。
「ターザンは類人猿ではない、考え方もなにもかもおまえたちとは違う。
だから一緒に生きていくことはできない。
ターザンは岸のない大きな湖のそばのねぐらにもどることにする。
おまえたちは新たな指導者を選んでくれ。
ターザンはもう帰らないから」

ターザンは額に受けた深い傷を癒しながら西の浜辺の小屋へと向かう。
こうしてグレイストーク小公子は群れを抜け自分と同じ白人を探す一歩を踏み出した。

やがて彼は運命の女性、ジェーン・ポーターと出会うのだった。


by motibito03 | 2017-07-08 21:51 | ★『クロニクル』ターザンの絵物語