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7・ターザン〜白人種〜

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2009年の作品


自分と同じ白い肌の人間をさがしたい。
彼は育った群れを抜け浜辺の小屋に戻った。

ある日、小屋のある浜辺がある入り江を囲む岬に船が見えた。
浜には彼と同じ白い肌の男たちがいた。

乗客の積荷を奪った乗組員たちはその分配で仲間割れを起こしピストルを向けていた。

その様子を木の上から見ていたターザンは卑劣な行為に驚き、歓迎しようと出て行かなくてよかったと思った。
初めて見るものばかりだが亡父の小屋の豊富な本で船やピストルの存在も漠然と知ってはいた。
その光る棒から出る大きな音が人を簡単に殺すことを知った。

彼らが船に引き上げたのを見て小屋にはいると中は荒らされていた。
怒りにターコズに裂かれた額の傷跡が赤く燃える。
今度は大勢の人の気配。
ターザンは「ここは猿人ターザンの家だ。荒らしてはいけない。ターザンは見張っているぞ」と貼り紙をし、持てるだけの物を持って密林に戻り様子を見ていた。

大勢の中の5人だけは卑劣な顔つきの乗組員と違っていた。

二人の年配の紳士はポーター教授とその助手のフィランダー。
若く背の高い身なりのいい青年。ウィリアム・セシル・クレイトン。
黒人の大女は世話係のエスメラルダ。
そして若い女性はポーター教授の娘のジェーン・ポーター。

若い男性が船乗りたちの仕打ちに憤慨すると、船乗りは彼にピストルを向ける。
ターザンは、樹上から槍を投げ彼の窮地を救う。
謎の救世主に一行は驚き、船員たちは恐くなり船に引き上げる。

一方、その騒動に目もくれず二人の年配の男性は学術論をかわしながらフラフラとジャングルへと入ってしまう。
二人を連れ戻しに追っていく若い男性。

残されたジェーンとエスメラルダは小屋に入りかんぬきをかけた。
小屋の中には二体の白骨とゆりかごの中の小さな白骨。
過去、この小屋で起きた悲劇を想像すると胸が痛くなるジェーン。

ターザンは一度に起きたたくさんのことにとまどっていた。
言葉はわからなくとも起きていることはなんとなくわかった。
同じ白人種だが、卑劣な行為をする者とそうでない者がいることを知った。

だが、彼が一番心惹かれたのはあの白人の若い女性。
なにかわからない感情が湧きあがってきたのだった。


by motibito03 | 2017-07-08 22:14 | ★『クロニクル』ターザンの絵物語

自作のイラストや絵物語の世界です。ホームは『えありす万華鏡』リンクにあります


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